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第1章 P.41~本文の一部の紹介です。出版社との契約関係で、全部を掲載できないことをご理解ください。
 購読していただき、活用していただければ嬉しく思います。   著者:井手無動

人はトラウマの影響を受けて生きている

 人はそれぞれ違った個性を持っています。そうした気質が、多彩なパーソナリティーを形成して人間模様が存在します。しかし、それによっていろんな悩みや問題も発生します。

 それは、人によってストレスに対する脆弱性に違いがあるからです。特に乳幼児期からの親との関わりの環境によって、生まれ持った気質との関係がうまくいかない場合もあります。だんだんと成長していく中で、子供が親に不満を抱き、親のことを嫌いになっていく場合などがその一つです。

 そうした様々な環境要因、遺伝要因によってストレスを受けるとともに、性格の形成に問題を残すことがあります。

 このように、その後の親子関係や社会生活に問題が残り、精神的に苦痛を感じたり、人との関わりにおいて過剰に自信が持てなかったり、心の病といわれる症状が出たりする場合の原因となっている正体をトラウマ(心の傷)と呼んでいます。

 トラウマを把握するとは、無意識を把握することであり、そうすることで、人生を変えることができるのです。

 あなたの無意識を変えることが、あなたを変えることでもあるのです。

過去の結果としての“今”

 私たちの人生は、多くの判断と決断の結果として“今”が存在しています。

 でもあの時はなぜそうしなかったのか…など考えても、その判断が無意識からの働きかけであったなら、その問いに対して明確な答えを見いだすことはできません。

 しかし、ある状況の下での私たちの判断や衝動、決断などの生きる過程における反応が、私たち自身の無意識からの反応だとすれば、私たちの無意識の脳領域が生きていく運命を左右しているともいえるのです。

 現代の脳科学では、こうした無意識からの意図というものが証明されようとしています。それは、私たちが何かの作業に集中していないとき、いわゆるボーッとしているスタンバイ状態(DMN:デフォルト・モード・ネットワーク)の脳を観察することで、無意識と呼ばれるものの正体や意図のメカニズムの解明が進んでいます。

 このように運命ともいえるような働きをする興味深い“無意識の世界”をこれから説明していきます。

 もっと深く謎の影響を作り出す脳と心と遺伝と環境のメカニズムを知ることで、あなたは人生を変えていくことができるでしょう。

運が良い人生

 「自分は運が良い」と本気で思って生きていける人と、「自分は運が悪い」といつも嘆いている人の違いは何でしょうか? 

 運がいい人の人生は確かに運がいいのです。 なぜなら、生活の中で幸運だった出来事を見つける癖がついています。そうして、次々に幸運を見つけ、自分の人生に満足して生きていけるのでさらに幸運に恵まれます。本当に幸運な人生を歩めるのです。
 不運な人は上手くいかなかったことばかりに焦点を当てる癖がついていて、些細な幸運を無視して生きています。それでは人生の好転などあり得ません。

 一つの出来事をどのように受け止めるかが、その後の展開を決めていくのです。
 不運なことが起きた時に、それを嘆くのではなく、それをどう活かしていけるかによってその後が変わるのです。後で振り返った時に、あれは自分の人生に必要なことだったと本気で思えるような対応が必要なのです。

 自分の生活の中で、幸運なことを見つけ出す癖を身につけなければなりません。

 第4章以降で説明していく様々なテクニックを駆使して、自分はどんどんと幸運に恵まれるという自己暗示などの“無意識”への働きかけをしっかりと行ってください。

 無意識を変えるということは、脳の構造を変化させること、いわゆる脳の神経回路網(ニューロン・ネットワーク)を再構築することです。そのためには、脳の神経細胞の活性と成長の時間も必要だということも頭に入れておいてください。理想的な環境で、脳の神経細胞の軸索は、1日1ミリしか成長しません。1日1ミリずつ伸びて、他の細胞と連結していくのです。

 願いを叶えるためにもう一度考えておく必要があることを書いておきます。

 あなたが本書でお伝えすることをやり続けていれば、あなたを取り巻く環境が変わり、幸運な出来事が起こり始めます。あなたが想像もしなかった展開が起こり始めてくるのです。これは、ひたむきな努力という時間なくしては決して得ることができない幸運の幕開けなのです。努力し続けた人は必ず報われます。確実に道が開けてくるのです。

 あなたが願うことが、あなた自身の人生にとって必要で正しいことであれば、願いは必ず叶います。

 人生が思う通りにならないことを人のせいにしてはいけません。人生のすべては自分自身が作り出している結果としての世界なのです…。